地域熱供給システム及び環境配慮型施設等について視察!
今回札幌市を訪れ、地域における効率的なエネルギー利用や環境に配慮した施設等を視察させて頂き、今後のまちづくりにおける課題等を調査研究してまいりました。まず、札幌駅南口エネルギーセンターを訪れました。設計者より札幌駅のJRタワーなどの施設全体の概要と駅前のまちづくりについてお話を伺いました。
次に、エネルギープラントの概要説明を受けたのち、現場視察を行いました。札幌駅南口地区の地域熱供給システムは、天然ガスを活用したコージェネレーションにより、電気、蒸気、温水、冷水を供給し、総合エネルギー効率は約70%を実現しております。札幌ならではの特性として、オフィスや百貨店など冬においても冷房が求められる中、外気を活用して対応するフリークーリングシステムを採用し、また夏場には冷たい地下水という自然エネルギーをガスタービンの吸気冷却に活用するなど工夫しておりました。廃熱においても課題があるとの指摘もあり、都心部として今後検討していかなければならない点であると感じました。
次に、国内で初めての木造の大規模スパーマーケットである環境配慮型のエコ店舗を目指しているコープさっぽろ西宮の沢店に視察させて頂きました。コープさっぽろさんでは、「店舗の建設と運営で、CO2の排出量を半減させる」という目標を掲げ、大学機関との共同研究により省エネ店舗の実現に取り組んでこられました。建築では、道産材であるカラマツの集成材を使用し、太陽光発電、LED照明、ガスコージェネレーションシステムによる電気給湯コストの削減、ソーラーウォールの採用、断熱材の活用など様々な工夫が施されておりました。特徴である集成材の活用については、イギリスのテスコという巨大スパーの先進的な取り組みから学び、鉄を作る工程でかなりのCO2が発生しますが、木造では約35%削減することができるとのことであります。また、集成材は防火性能に優れ、燃焼速度が遅く内部まで燃え尽きることはほとんどないとのことでありました。ペットボトル回収機においても、地域の方々が活用している姿を拝見し、環境への取り組みが浸透していると感じられました。
次に、環境対策に力を入れている札幌ドームに視察に行かせて頂きました。まず、施設全体について映像等によるご説明を頂き、その後省エネルギーシステムやドーム施設など拝見させて頂きました。イベント時では、電力需要が高くなり、コジェネレーションシステムなどを活用し最大需要電力を下げ契約電力の低減を図り、また「エコノパイロット」を導入することにより省エネルギーを推進しておりました。ゴミの分別も行いながら回収した紙コップやペットボトルなどは圧縮し、ごみの搬送回数を減らすなど工夫しておりました。
今回の視察では、コージェネレーションシステムを中心に環境配慮型の施設を学ばせて頂きましたが、今後の本区のまちづくりにおいて大変重要であり、さらに調査研究を行ってまいりたいと考えます。この度の視察にあたりましては、関係者のご協力により実施することができました。ご尽力いただいた関係者の皆様に心から感謝申し上げます。